計画から指示、処理までをシステム管理
前回は受注から製番、手配への流れを中心に説明しました。今回は手配以降の業務処理を統合システム化し、合理的かつ効率的に生産管理する方法について解説します。
モノを作るためには、「計画」して「指示」して「実施」するという3段階の処理があります。個別生産管理システムの場合は、下図のように手配計画を立て、さみだれ式に指示をして、指示に従って処理をするという流れになります。この3ステップを効率的にシステム管理し、進捗状況や原価の管理を行うのが個別受注生産管理です。
図1:計画から指示、実施までを統合してシステム管理
1つの製品を作るのに必要な作業は数十から数百、多いものでは数千もあり、これらの作業計画をシステム化したものが手配入力画面です。これらの作業は次の6種類に大別できます。外部に作業委託するもの、都度購入するもの、在庫から払い出すもの、など必要部品(材料)により調達方法が異なります。
表1:1つの製品を作るのに必要な作業(6種類に大別)
これらの計画(手配計画)に基づいて決まったものから指示(手配確定)し、実行されます。例えば外製(外部委託製造)の場合は、委託先へ発注し、製造されたものを仕入しますし、内製(社内製造)の場合、製造部門に指示し、その製造部門が製造報告して実績が計上されます。
個別生産管理システムは、画面1のような登録画面により数百から数千もある作業の計画を立て、それぞれの進捗を管理し、それぞれの作業結果が自動的に原価参入される仕組みをシステムとして提供します。手作業と経験に頼った旧体質の製造スタイルから脱却してコストや納期、ミス防止など合理的な製造業へと改革します。
画面1:手配入力
手配計画の再利用
手配計画はテンプレートとして登録するほか再利用もできます。再利用の方法は下図のように3通りあります。手配入力を標準(図版)として保存しておき、それを再利用する方法や過去の手配をもとに新規の手配を行うほか、外部からCSVデータで取り込むことも可能です。
図2:手配計画の再利用
画面2は、手配データの取込画面です。画面上部で上記3種類の取込方法を選択し、取り込んでから必要に応じて内容を変更します。試作品の手配パターンを最終的に標準部品工程表(図版)として保存して再利用したり、過去の手配の中から似たような手配データを取り込んで活用したり、膨大な手配データをExcelなどで作成してから取り込んだりできます。
画面2:手配データの取込(3種類の方法を用意)
手配からの指示・実施連携
手配入力(画面1)において、"確定"をしたものから順に手配区分に従って処理されます。例えば、手配区分が「外製」または「購買」だった場合は発注データが自動作成され、画面3のような発注一覧で確認できます。発注担当者は手配内容を確認した上で実際の発注処理を行い、仕入・在庫へと処理連携されていきます。ERPとしての生産管理システムなので、手配と発注・仕入、そして生産がシームレスに連携され、合理的かつ効率的に生産を管理することができるのです。
画面3:手配から自動生成された発注データの一覧
製番の進捗管理
数百以上も手配がある場合、各手配の進捗漏れや進捗遅延を監視・管理するのが大変です。そのため、個別生産管理システムでは個々の手配の進捗状況をすみやかにチェックできる仕組みを用意しています。GRANDITの場合、各手配の進捗状況は画面4のような画面でビジュアルに把握できます。上段が予定、下段が実績というグラフ形式で手配の処理漏れ防止や作業遅れのチェックを行い、計画通りに製品が生産できることを支援します。
画面4:手配の進捗管理
要員の負荷管理
生産に携われる要員数には限りがあるのですが、各製番で予定されている工数(段取り工数・作業工数)を日次ベースに集計した場合に、実存する作業メンバーの総工数を越えてしまうこともあります。このような場合は、作業日程をずらして作業負荷の平坦化を図る必要があります。
画面5は、このような作業負荷状況を一覧できる画面です。手配データの予定工数や期間などの情報をもとに要員の作業負荷を山積み表示し、要員負荷状況をビジュアルに表しています。保有工数と山積み状況を比較して、稼働負荷率の高い日を色で表示しますので一目で過負荷の日にちを洗い出し、その後の山崩し作業へとつなげてゆくことができるのです。
画面5:作業要員の日次負荷管理(保有工数Vs.負荷積上工数)
最後に
手配の各作業が終了して製品が出来上がったら画面6のような製番完了入力で製番の完了を報告します。この時点までにかかった総費用データをもとに、製品の原価も自動計算されます。
受注データに紐付いて製番が作成・登録されていますので、受注単位に売上計上し、受注単位での原価や利益がきちんと把握されます。このように受注から製番、手配、実績、売上計上へと―シームレスにできる仕組みを持ち、受注単位、製番単位に原価や利益がきちんと管理できる、これがERPとしての生産管理システムの特徴となります。
画面6:製番完成
生産管理連載シリーズは今回で終了とさせていただきます。
| 連載記事一覧 |
| ⇒ 第1回:生産管理システムの構図 |
| ⇒ 第2回:今、なぜ個別生産管理なのか |
| ⇒ 第3回:販売、調達・在庫システムと生産管理システムの融合(前半) |
| ⇒ 第4回:販売、調達・在庫システムと生産管理システムの融合(後半) |






