






株式会社エフ・シー・エス(以下、FCS)は、1984年に受託開発で創業した歴史ある企業で、「顧客よし、従業員よし、世間よし」の三方よしの企業理念を掲げ、企業価値を高めています。
現在では2つの大きな事業戦略を持ち、システムインテグレーション事業では、幅広い受託開発から「人」を育て、自社ソリューション事業からはモノづくりメーカーとして「夢」を追い、成長しています。
また、20年以上にわたり新卒採用を続け、初心者からITスキルを教え、人を育てられる企業を目指しています。

大手ITベンダーの下で受託開発を行う、アンダー型の時代には、プロジェクト損益の把握は「終わったあと」でよく、プロジェクトを正確に早く把握する必要があまりなかったと言えます。
しかし、自らプロジェクトを獲得していくソリューション事業創出型に変革していった2006年〜2008年には、そうはいかなくなりました。顧客との直接的なプロジェクト責任はFCSにあり、プロジェクト規模も納期も大きくなっていくにつれて、プロジェクト損益、進捗状況をしっかりと把握していかなければならなくなりました。ところが、途中のコストや進捗状況が分からなかったり、トラブルも多かったため、プロジェクト管理を推進していく必要がありました。
Excel集計を多用したり、プロジェクト管理パッケージも導入してみましたが、重複作業が多く、データも分散化していることが原因で、現在の状況が把握できない課題は解消されず、それこそ経営に必要なデータはバラバラな状態でした。

そんな2008年後半に、統合型ERPパッケージ「GRANDIT」で協業関係にあるシステムインテグレータ社から、統合型プロジェクト管理パッケージソフトとして出来上がったばかりの「SI Object Browser PM」の提案を受ける機会がありました。
会社の事業スタイルを変革している中で、どうしてもプロジェクトの状況を把握できるツールを組織の中心において、経営の見える化とプロジェクト管理強化をしていきたかったFCSにとって、まさに抜群のタイミングでした。
早速、現場にSI Object Browser PMを見せると、「これなら使える」と返事が返ってきました。理由は、ユーザービリティを重視した画面設計や、コスト管理・進捗管理・要員管理・品質管理など統合的なパッケージソフトであるためでした。また、「直感的に操作しやすい」という感想も非常に多くありました。

上記の理由から、経営と現場が一体となり、2009年2月にSI Object Browser PMの導入を決めました。

まず、プロジェクト管理のためのデータを入れることが第一歩ですが、「ちゃんと入力する」という足並みを揃えることに苦労しました。導入当初は、入力してくれない部門やマネージャーがいたり、慣れてきても工数入力や進捗入力の精度にバラツキがありました。また、全社的に工数入力ができるようになってきても、ガントチャートやリソース計画を入れなかったり、品質管理が入らなかったりと、運用が定着するには時間がかかりました。
そこで、東西に配置したPMO品質管理室が中心になって、現場のためになるよう操作面や入力されたデータを集計してフィードバックしました。また、導入推進チームを結成して現場をサポートしたり、システムインテグレータ社からも定着・活用のための勉強会を何度も開催してもらい、SI Object Browser PMは現場に必要なものになっていきました。

現場にSI Object Browser PMが定着すると、問題のあるプロジェクトの発見がすぐにできるようになりました。コスト超過や進捗遅延をマスター設定することによって、膨れ上がるプロジェクトや遅れだすプロジェクトは、各部門長、PMにアラートをメール配信されるので、把握も楽になり、早く対策が打てるようになりました。
また、これまでFCSは主に実績しか見てきませんでしたが、プロジェクト計画書(コストやスケジュール)等の計画作成をしっかりと根付かせることで、現場に計画通りの実績を目指す重要性が浸透してきました。
長期的に見て赤字受注するプロジェクトもあります。
例えば、▲1000万の赤字で計画されたプロジェクトは、計画通り▲1000万の実績で着地することが重要であり、赤字プロジェクトを担当するPLのモチベーションも「計画通りの赤字で終了」にあるわけです。
ところが、1000万の黒字で受注できたプロジェクトが計画通りにいかず、実績が損益ゼロになってしまうことは、先述した赤字プロジェクトよりも問題です。このようにプロジェクト計画と実績が合う重要性を組織に理解させるためにも、SI Object Browser PMで簡単に把握できるプロジェクト実行予算と原価実績や、スケジュール計画と進捗率は、計画レベルの向上に非常に役立ちました。

正確なプロジェクトの製造原価(完成原価・仕掛原価)の把握により、翌月の中旬以降にしかわからなかった営業利益が、毎月素早く把握できるようになりました。また、リソース状況(チーム別、開発者別の工数アサイン)を組織で共有し、「忙しい部門、ヒマな部門」を見える化することによって、稼働率が上がるようになってきました。
これらのデータは、システム開発会社にとって「早く見えること」が重要であり、経営課題の発見と解決にもつながります。現在FCSでは、販売パ−トナーでもあるウイングアーク テクノロジーズ社のBIツール「Dr.Sum EA MotionBoard」と連携して経営ダッシュボードを開発中ですが、GRANDIT会計システムとも連携してSI Object Browser PMが経営管理になくてはならない存在となってきています。



システムインテグレータ事業と自社ソリューション事業で、システム開発やシステム企画を通じて人を育てていくことは、FCSの経営ビジョンでもあります。今後は、SI Object Browser PMのタスクや見積を標準化できるドメインマスター設定の改善や、スキル評価管理をもっと活用して、システム開発者としての能力アップに役立てたいと思います。
また、現在新しい評価制度を構築中ですので、管理職や社員の給与と連動するための成果をはかるしくみをSI Object Browser PMと連携させていきたいと思います。 「計画レベルと実績の差異を評価したり、利益率や稼働率の評価や、営業の受注責任と、開発の売上責任を社員が感じてほしい。」 新しい評価制度構築のために、SI Object Browser PMで「能力と成果」をはかっていきたいと思います。
ここ数年、2つの両輪となる事業の仕込みをやってきました。これらの事業で成果を上げるスピードを加速させるためにも、SI Object Browser PMをプロジェクトマネジメント強化のツールとして中心に据えて、お客様の期待に応えていきたいと思います。
会社名:株式会社エフ・シー・エス
企業サイトURL:http://www.fcs21.jp/
従業員数:192名(2010年4月1日現在)
設立:1984年12月17日
事業内容:システムインテグレーション事業では、大手企業の豊富な25年間の開発実績を持ち、広い業務分野ノウハウと高い品質を提供している。自社ソリューション事業ではトナーセーバー、カラージップ、Web会議システム、eラーニングと新しいマーケットの創出を次々と行っている。著名なパッケージソフトのトレーニング・教育研修も手がけており、新しいIT企業のスタイルを追及している。
掲載している企業情報および記事内容は、取材時(2010年8月)のものです。
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